【下書き】この記事は公開前の初稿です。数値・制度のファクトチェックは完了しましたが、筆者の実体験加筆(下記「筆者の実体験メモ」欄)はこれからです。このままでは公開しないでください。

「ベルギーリーグって、要するに五大リーグより弱いリーグでしょう?」

半分は正しい。クラブの予算も、放映権料も、集まる選手の知名度も、プレミアリーグやブンデスリーガとは比べものにならない。しかし「弱いリーグ」という言葉で片づけてしまうと、このリーグの一番面白い部分を見落とすことになる。

ベルギーリーグは、弱いのではない。「経由地」として機能するように、隅々まで構造化されたリーグなのだ。

地図を見れば、半分わかる

ベルギーの周りを見てほしい。北にオランダ、南にフランス、東にドイツ、海を渡ればイングランド。欧州サッカーの中心地に、文字どおり囲まれている。

この地理的条件が、ベルギーのクラブの立ち位置を決めている。ビッグクラブのスカウトにとって、ベルギーは「車で行ける観察拠点」だ。選手にとっては「五大リーグから最も見えやすい場所」になる。ここで活躍すれば、次のステップへの扉が開く——その事実を、クラブも選手も代理人も全員が知ったうえでプレーしている。

ベルギーリーグの試合は、いつも「二つの勝負」が同時に進んでいる。目の前の対戦相手との勝負と、スタンドのどこかで見ているスカウトへのアピールという勝負だ。

「多国籍の草刈り場」を作ったルール

ベルギーリーグの登録ルールは、外国籍選手に対して欧州でも指折りに開かれている。そもそも外国人選手の人数制限が存在せず、代わりに課されているのは「自国育成選手を公式戦の登録メンバーに最低6人含めること」という条件だけだ。この条件さえ満たせば、残りの登録枠は国籍を問わず自由に埋めてよい。

結果として何が起きたか。南米、アフリカ、そして日本を含むアジアから、若い才能がベルギーに集まるようになった。五大リーグに直接渡るには実績が足りない。でも自国リーグには収まらない。そんな選手たちにとって、ベルギーは最初の欧州として最適な入口になった。

「育てて売る」がリーグ全体の経済モデル

個別のクラブが育成に力を入れているリーグなら、他にいくらでもある。ベルギーが特殊なのは、「育てて売る」がリーグ全体の経済モデルとして回っていることだ。

このサイクルが機能しているから、ベルギーのクラブは資金力で劣っても継続的に才能を輩出できる。スター選手が毎年のように引き抜かれていくのに、リーグのレベルが崩壊しない理由もここにある。

日本人選手にとっての「ちょうどいい難易度」

では、日本人選手にとってベルギーは何なのか。

よく言われるのは「Jリーグとレベル感が近い」という話だ。フィジカルの強度は上がるが、技術や戦術理解で通用しないほどの断絶はない。つまり、挑戦として成立するギリギリの「ちょうどいい難易度」なのだ。簡単すぎれば評価されず、難しすぎれば出場機会がない。ベルギーはその中間にある。

実際、2025-26シーズンのベルギー1部には19人もの日本人選手が在籍している。前シーズンの16人からさらに増えた数字だ。シント=トロイデンだけで7人(伊東純也を含む)を数える年もあるほどで、もはや珍しい存在ではない。それは偶然ではなく、ここまで見てきた構造——地理、ルール、経済モデル——が生んだ必然だ。

筆者の実体験メモ(加筆予定) ここに、ボス自身のベルギーでのプレー経験に基づく肌感覚を加筆します。例:実際にピッチで感じたフィジカルの差、ロッカールームの多国籍ぶり、「売られていく」チームメイトを見送った経験など。

「経由地」だからこそ、面白い

経由地と聞くと、通過されるだけの寂しい場所を想像するかもしれない。しかし実際のベルギーリーグは、欧州中・世界中の才能が交差する場所だ。来季には五大リーグにいるかもしれない選手のプレーを、数千人規模のスタジアムで、手の届く距離で見られる。

このサイトでは、そんなベルギーリーグの面白さを、これから少しずつ掘り下げていく。次回は、街ごとのクラブカラー——ブルージュ、アントワープ、ヘント、それぞれの街とクラブの気質について

【出典メモ】登録ルール(自国育成選手6人以上・外国人枠なし)はsakkataru.com等で確認済み。日本人選手数(2025-26シーズン19人、前シーズン16人)はkerimichi.com、jfootballer.com等の集計に基づく(2026-08-31確認)。数値は今後のシーズン進行で変動するため、掲載時期に応じて更新してください。地理・経済モデルに関する記述はjr-soccer.jp / soccer-book.com / football7society.com 等の公開情報を参考に構成。