【下書き】この記事は公開前の初稿です。公開情報をもとにした構成編で、内容の確認をお願いします。特に、プレーオフ制度は2026-27シーズンから廃止されているため、本文は「17シーズン続いた仕組みを振り返る」形で書いています。

3月の終わり、レギュラーシーズンの最終節が終わった翌週に、順位表を開いてみます。すると、首位のチームの勝ち点が、先週の半分ほどに減っているのです。計算を間違えたのではなく、これがベルギー1部の「春」の風景でした。

Jリーグに慣れた目には、かなり奇妙に映るのではないかと思います。私自身、最初にこの順位表を見たとき、何が起きたのか分かるまでに少し時間がかかりました。だから今回は、この仕組みがどう動いていたのか、なぜ生まれ、そしてなぜ終わったのかを、一緒に順番にたどってみたいと思います。

勝ち点が半分になる春

2025-26シーズンまでのベルギー1部は、16チームでした。まず秋から春にかけて、ホーム&アウェーの総当たりで30試合を戦います。ここまではJリーグと同じです。違うのは、ここで順位表がいったん閉じられ、チームが3つのグループに分かれるところからです。

そして、上位2グループでは、レギュラーシーズンの勝ち点が半分(端数は切り上げ)に圧縮された状態からプレーオフが始まります。首位の勝ち点が減って見えたのは、このためでした。30試合の貯金は消えないものの、その価値は半分になる。そうすると、6位のチームにも優勝の芽が残る、という仕組みだったわけです。

Jリーグの「一枚の順位表」との違い

比べてみると、Jリーグの分かりやすさが際立ちます。2026-27シーズンのJ1は20チームによる38節のホーム&アウェーで、1年を通じて積み上げた順位表が、そのまま最終順位になります。優勝も、欧州でいうACL出場権も、降格も、すべて同じ一枚の表で決まります。

ベルギーの旧制度は、言ってみれば「一つのシーズンの中に、もう一つ小さなシーズンを入れ子にした」形でした。30試合の本編があり、そのあとに10試合の「続編」がある。だから、本編で独走していたチームが続編で追いつかれる、ということが実際に起こり得たのです。

上位6チームの総当たりは、言ってみれば「ビッグマッチだけをもう一度並べ直したミニリーグ」でした。強豪同士の直接対決が、春の2か月間に集中していたのです。

なぜ2009年にこの仕組みが生まれたのか

プレーオフが導入されたのは2009-10シーズンからです。同じタイミングで、1部のチーム数は18から16に減らされました。提案したのはプロクラブの連合組織であるプロ・リーグで、2008年5月にベルギーサッカー協会が承認した、と伝えられています。

背景として語られているのは、大きく分けて2つです。一つは、ボスマン判決以降、ベルギーのクラブが欧州カップ戦で結果を出しにくくなっていたこと。もう一つは、リーグとしての商品価値です。当時の有力クラブは「格下との試合が多すぎる」と考え、強豪同士の対戦を増やせば放映権や集客の面でも魅力が上がり、欧州での競争力にもつながる、と主張していたようです。中位のチームにとって終盤が消化試合になりがちだった点を、別グループで戦わせることで解消したい、という狙いもあったと見られています。

ただ、当時のサポーターの多くはこの制度に反対だった、という記録も残っています。小さなクラブの賛成票を得るために、大きなクラブが財政的な補償を約束した、という話も伝えられていますが、この部分は当時を知る方の証言を待ちたいところです。

17シーズンで見えてきたこと

この制度には、確かに良い面がありました。優勝争いが最終節まで、ときには最終節の最後のプレーまでもつれ込む。春の2か月は、毎週のようにビッグマッチがある。話題性という点では、狙いどおりに機能していたのだと思います。

一方で、時間が経つにつれて課題も見えてきました。まず、仕組みが複雑で、初めて見る人に説明しづらいこと。それから、ヨーロッパ・プレーオフの側は、勝っても「もう1試合の権利」が手に入るだけということもあって、選手もサポーターも気持ちを保ちにくく、スタンドが寂しくなりがちだった、と伝えられています。さらに、欧州カップ戦を戦う上位クラブからは「国内の試合数が多すぎて日程が厳しい」という声が強まっていきました。

そして2026年、リーグは「一枚の順位表」へ戻りました

2025年2月、プロ・リーグの総会は、僅差の投票だったと報じられていますが、2026-27シーズンからプレーオフを廃止し、1部を18チームに戻すことを決めました。全34節のホーム&アウェーで、上位4チームが欧州カップ戦へ、下位2チームが自動降格という、ごくシンプルな形です。プロ・リーグのCEOであるロリン・パリス氏は、「どのクラブも望みのすべてを得たわけではないが、大小のクラブ双方の必要を反映した妥協だ」という趣旨の言葉を残しています。

2026年8月7日、ベルギーでは17年ぶりにプレーオフのないシーズンが開幕しました。奇しくも同じ週末、日本ではJリーグが初めての秋春制シーズンを迎えています。かたや「一枚の順位表」へ戻り、かたやカレンダーを欧州に合わせる。二つのリーグは、少しずつ互いに歩み寄っているようにも見えます。

春に勝ち点が半分になる、あの独特の風景はもう見られません。ただ、なぜあの仕組みが必要だったのかを知っておくと、これからのベルギーリーグで起こることも、少し違って見えてくるのではないかと、私は感じています。

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【出典メモ】2026-09-05確認。旧制度の詳細(16チーム・30節、上位6/7〜12位/13〜16位の3グループ、勝ち点半分・切り上げ、各10試合・6試合、ヨーロッパPO勝者vsチャンピオンズPO4位)は英語版Wikipedia「2025–26 Belgian Pro League」および「Belgian Pro League」で確認。2026-27の新形式(18チーム・34節・プレーオフなし・上位4チーム欧州・下位2チーム自動降格・8月7日開幕)はPro League公式サイト(proleague.be、仏語)および英語版Wikipedia「2026–27 Belgian Pro League」で確認。※日本語版Wikipediaは「下位3チーム降格」「313試合」と記しており公式と食い違うため採用せず。2009年導入の経緯(18→16チーム、2008年5月承認、ボスマン判決後の欧州での低迷が動機)は日本語版Wikipedia「ベルギー・ファースト・ディビジョンA」の検索要約に基づく。有力クラブ主導・サポーターの反対・財政補償の話は2011年の英語ブログ(thepathslesstravelled)が主な典拠で、一次資料ではないため本文では「伝えられています」と表現。廃止決定の投票(2025年2月・僅差)とパリスCEOの発言はBelga News Agency(2025-02-28)・Inside World Football(2025-06-17)の検索要約に基づく(本文ページは403で直接閲覧できず)。J1 2026-27(20チーム・38節・8月7〜9日開幕)は日本語版Wikipedia「2026/27シーズンのJ1リーグ」で確認。公開前に、Pro League公式の欧州出場権の内訳と、2025-26の優勝クラブ名を加える場合は再確認をお願いします。